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遺品整理をはじめる前に

本日お話しさせていただくのは、「遺品整理」についてです。
故人の遺品を整理するにあたり、気を付けていただきたい点をまとめました。
これから遺品整理をはじめられる方のお役に立てることができれば幸いです。

遺品整理とは、亡くなられた方の住まいに残された家財などを仕分けし、お部屋をきれいに
整えることをいいます。
「整理」と聞くと、引っ越し前の作業や普段の掃除の延長のようにに思われるかもしれません
が主のいないお部屋の整理は大変な労力を要するものです。
また、故人が愛用していた品や思い出の品を整理することで故人を慈しみ、大切な方との別れ
に向き合う大切な時間でもあります。
整理によって手放してしまった遺品は取り戻すことができませんので、整理に迷われた品は
お気持ちの整理がつくまで手元に置かれることをお勧めします。

<相続人の確定>
故人が所有していた遺品は、民法により相続人の相続財産であると定められています。
そのため、相続人以外の方が勝手に持ち出したり、整理・処分することはできません。
まずは相続人調査を行い、相続人の確定を行いましょう。
相続人を確定させるには、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡にいたるまでのすべての
戸籍謄本及び除籍謄本と、相続人全員の現在の戸籍謄本が必要になります。

<相続財産の調査>
相続財産には「プラスの財産」だけではなく、借金などの「マイナスの財産」も含まれます。
遺品整理を行う前に、
① 金融機関の預貯金の確認
② 有価証券やその他権利書の確認
③ 不動産の確認
④ 貴金属や自動車などの確認
⑤ 負債についての確認
を行いましょう。
プラス財産より負債の方が大きかった場合には、すべての財産を放棄する「相続放棄」、
プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続する「限定承認」などの相続方法もあります。
*相続放棄や限定承認を選ぶ場合には、原則として相続人になったことを知った日から3ヶ月
以内に、家庭裁判所に申し立てをする必要があります

どの選択をするにしても、相続財産の内容を把握しなければ手続きを進めることができない
ため、相続財産の調査は必ず行いましょう。
相続に関する調査は、弁護士や司法書士・行政書士などの専門家に依頼することも可能です。
専門家により業務範囲が異なりますので、ケースに合わせて依頼先をご検討ください。

<最後に>
故人が賃貸住宅で生活していた場合など、遺品整理を急がれる方も多くいらっしゃいます。
後々トラブルに巻き込まれないよう、事前調査をしてから遺品整理をはじめましょう。

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